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オスグットのリハビリ

2017年10月3日

オスグットのリハビリ

オスグットとは、成長痛(せいちょうつう)の1つです。中学〜高校生の男の子に読みくられるものです。正式名称はオスグットシュラッター氏病です。オスグットが成長痛と呼ばれるのは、成長期に発症しやすいこと、発育の速度が痛みを誘発(ゆうはつ)する要因と言われているからです。では、このオスグットは成長が止まらなければ、治すことはできないのでしょうか?もっと早く治すことができないのか?そのように疑問を持たれる方もおられると思います。そんな疑問にお答えすべく、記事にまとめさせていただきました。

<目次>

  1. 1.オスグットは成長痛の1つ
  2. 2.一般的なオスグットの治療法
  3. 3.当院のオスグットに対する取り組み
  4. 4.痛みを緩和させる成長期の過ごし方
  5. 5.オスグットから早期復帰するためのリハビリ
  6. 6.オスグットと言われた時に注意すべきこと
  7. 7.今回の記事のまとめ

 

1.オスグットは成長痛の1つ

オスグットとは、骨の成長に伴い、筋肉が骨の伸び追いつかずに脛(すね)の骨が剥離(はくり)してしまう病気です。一般的にはレントゲンをとり、成長軟骨(せいちょうなんこつ)の状態を見ます。また、レントゲンでは、骨腫瘍(こつしゅよう)のような病態(びょうたい)でないことを確認します。そのほかにも、見た目では、膝の下、脛の骨にボコッと膨らんだ固い突起が伺えます。このような所見(しょけん)から、オスグットの診断(しんだん)がされます。

オスグットを始めとする成長痛と呼ばれる症状は、膝(ひざ)に限らず体にはいくつか見られます。例えば、かかとに見られるシーバー病、あばらの軟骨の痛みなど負担のかかる部分によって呼び名や部位が異なります。成長痛とは、成長期にある発育による体の変化と、体にかかる負担の両方が重なって体に症状として現れるものです。この成長痛は、上記の2つの要素が重なったものの総称とも言えます。ですので、発育時の健康管理と、体への負担のかかり方の両面でケアをする必要があるのです。

それでは、オスグットと診断された後は、どんな治療がされるのでしょうか。それらについて解説していきます。

2.一般的なオスグットへの対処

  1. 1.オスグットバンドで痛みを軽減
  2. 2.超音波で痛みを緩和(かんわ)する
  3. 3.マッサージで筋肉を柔らかくする
  4. 4.ストレッチの指導により柔軟性(じゅうなんせい)を高める

一般的には、膝が痛い時には整形外科へ通院するのが通例です。レントゲンを撮り、膝の病態を把握します。そこで、オスグットと診断がされた後は、痛みの緩和リハビリが開始されます。上記にあるのは、痛みの緩和が中心です。それに加えてマッサージやストレッチは、膝にかかる負担の軽減です。それぞれについて解説をしていきます。

オスグットの一般的なケア

2-1.オスグットバンド

オスグットバンドは、太ももにバンドを巻きつけて、脛に付着(ふちゃく)する靭帯(じんたい)にかかる牽引力(けんいんりょく)を軽減(けいげん)します。痛みの緩和が見られますが、負担そのものの発生への対処も必要になります。痛みが出る前の予防競技中のストレス緩和には有効です。

注意事項は、バンドをはめている時は、痛みを感じにくくなるため、太ももの筋肉が硬くなりすぎることが起こります。バンドで痛みを軽減することに加えて、痛みが起こりにくくなる対処も必要です。さらには、長時間つけていると肌荒れを起こすことがあります。本当に必要な時に一時的に使用することが望ましいです。

 

2-2.超音波による痛みの緩和

超音波には疼痛緩和の効果があります。痛みが強い場合には、継続して超音波を当てることで痛みの緩和や治癒を促すことができます。アイシングと併用することで炎症の鎮痛効果を促すことができます。超音波には周波数を変えることで、効果が異なります。オスグットで痛みが出ている場合は、周波数を変えて行うことで骨の成長促進や痛みの緩和の効果を期待できます。

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周波数の設定
深部治療・・・1MHz(1秒間に100万回のミクロマッサージ効果)例:骨など 
浅部治療・・・3MHz(1秒間に300万回のミクロマッサージ効果)例:筋肉など
*ミクロマッサージ効果:非常に細かい振動
出力の設定 
温熱・・・100%(連続波、連続発振)、1~1.5w      
→炎症や脹れが退いた慢性期に用いる。      
*音波痛が出た場合は、出力を下げる。 
効果      
・腱、靭帯、筋膜、筋、関節包などに温熱効果が得られる。      
・循環の促進、痛みの軽減などがあります。

非温熱・・・5~50%(パルス波、間欠発振)、0.5~1w       
→炎症や脹れがまだある急性期に用いる。       
*出力が高くなるにつれて温熱効果となる。 
効果       
・骨折、骨端症(シーバー病、オスグット病など)の癒合期間の短縮や骨棘の吸収。

 

2-3.太もものマッサージ

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と呼ばれる筋肉は、太ももの筋肉のことです。この大腿四頭筋は、膝のお皿を通過して膝蓋靭帯(しつがいじんたい)となり脛の骨に付着します。この大腿四頭筋が硬くなることで、靭帯に加わる牽引力が増して、オスグットの症状を助長します。ですので、太ももを柔らかくすることが、痛みの緩和につながります。

オスグットの時のマッサージ

3.当院のオスグットに対する取り組み

オスグットの痛みは、急に起こるものではありません。発育に伴い、疲労の蓄積膝にかかる負担の増大が重なり起こるものです。そのような背景から、痛みの緩和だけでなく、痛みそのものを起こさないようにするリハビリやケアが必要です。当院ではそのような方法までもご提案させていただいております。

 

3-1.膝にかかる負担は骨盤の傾きを変える

膝が痛い時には、膝以外の体のアンバランスを整えます。例えば、骨盤の傾きがあります。骨盤には、太ももの筋肉がついています。骨盤の前側に太ももの筋肉がついているので、骨盤が後ろに傾くことで、太ももの筋肉が伸ばされて硬くなったしまいます。このようなことから、骨盤の傾きが後ろに強いことで、膝に負担がかかります。その場合は、膝だけでなく骨盤の後ろに傾いてしまった歪みなども調節します。そうすることで、膝そのものにかかる負担は軽減していきます。

 

オスグットと骨盤の傾き

3-2.背中を使って膝にかかる負担を減らす

猫背になると膝に負担がかかります。膝の関節の負担がかかることで、オスグットの症状は悪化します。なぜ、猫背になると膝に負担がかかるのでしょうか?それは、膝以外の関節が固いことで、膝そのものにかかる負担が多くなります。顎が上がり、背中が丸くなる、胸がすぼみ、膝が曲がりがに股になります。このような姿勢が続くことで、体の1部分に負担がかかりやすくなります。

3-3.股関節を柔らかくして体を扱う

ももの硬さは、股関節や神経の影響も受けます。お尻が固いことで坐骨神経を介してハムストリングスが硬くなります。そのため膝に屈曲ストレスが加わります。また、体が丸くなったままだと、足の付け根が硬くなります。その足の付け根には大腿神経と言う神経が通っています。膝は、このような神経の圧迫で筋肉が緊張して、痛みがお起こる場合もあります。

4.痛みを緩和させる成長痛の過ごし方

マッサージやストレッチ以外にも体に影響する要素は多くあります。日頃の過ごし方が、体の回復を早くしたり、遅くしたりします。痛みを取るだけでなく、痛みにくい体にすることもオスグットの治療には必要です。その中で大きく影響するのが3つあります。1つは睡眠、2つ目は疲労回復、3つ目は栄養補給です。筋肉だけ柔らかくしてもなかなか変化が見られない場合は、これらの要素も影響していることが多いです。

 

4-1.睡眠が体を回復させる

体は寝ている時に作られます。ストレッチやマッサージ以外にも、睡眠不足は回復を遅くさせます。筋トレは筋肉を壊す行為です。その筋肉は寝ている時に、成長ホルモンに促されて回復しています。ですので、十分な時間と質の良い睡眠が体の回復には必要になります。

オスグットは睡眠も大切

4-2.体の巡りを良くして痛みを

体の柔軟性は循環の影響を受けます。例えば、毎日きちんと入浴をしているかもその1つです。お風呂に入ることで体の疲労回復につながります。シャワーだけでは、体の汚れは落ちますが、筋肉の疲労は取りきれません。入浴することで、水圧のマッサージ、体のめぐりが良くなり、発汗をすることで代謝が促されます。シャワーでは表面的な暖かさしか体には伝わりません。入浴することで、体の回復だけでなく、柔軟性も変わります。

オスグットはシャワーよりも入浴が良い

 

4-3.栄養不足が筋肉を硬くさせる

栄養不足で筋肉が硬くなることがあります。例えばマグネシウム不足になると、筋肉は緩みにくくなります。このような栄養状態のアンバランスが回復を遅らせることもあります。マグネシウムが不足すると、足のけいれんや手足の冷え性などの緊張が抜けない症状がみられます。

筋肉を作る材料だけでなく、筋力をコントロールするミネラルやビタミンなども成長や活動に必要なだけ摂取することが望ましいです。

オスグットと栄養バランス

5.オスグットから早期復帰するためのリハビリ

オスグットは、成長期によく見られる症状の1つです。だからと言って、成長が止まるまで痛みを我慢しなくてはならないわけではありません。

 

5-1当院が考える膝の原因

膝にかかる負担とは、3つあります。

  1. 1.膝で体を支える
  2. 2.膝を曲げすぎてしまう
  3. 3.膝が固まってしまう

この3つの要素で膝にかかる負担が大きくなります。

 

5-1-1.膝で体を支えてしまう

猫背になると重心は前側になります。その結果、つま先や膝に体重が乗りやすくなります。猫背で特徴的なのは、背骨が固まってしまうことです。背中が固まってしまうことで、動かせる関節や体重を支えている関節に頼ってしまいます。

 

5-1-2.膝を曲げすぎてしまう

猫背になると姿勢は全体的に丸くなります。爪先立ちになり膝が曲がり顎が上がる姿勢になります。このような姿勢になると、常に膝が曲がった状態になります。膝が曲がったままですと、膝で体を支えようとします。

 

5-1-3.膝を固めてしまう

痛みや緊張があると関節を固める癖がつきます。このくせは、猫背によって姿勢が固まることでも起こります。そのような状態ですと、常に膝蓋靭帯や脛骨粗面(けいこつそめん)に常に負担がかかり続けます。このような状態が続くことで、脛骨粗面から脛の靭帯が剥離してしまいます。

 

5-2.当院で行うリハビリ

 

5-2-1.膝にかかる負担を減らす骨盤体操のリハビリ

骨盤は太ももが付着しています。そのため、膝そのものの動かし方の前に、骨盤の傾きを整えます。具体的には、後ろに傾いている癖を無くします。この後ろに傾く癖は、椅子にお座り方や猫背などの影響を受けて作られることもあります。

5-2-2.関節を柔らかくするリハビリ

膝は痛みがあると、力が抜けるかより一層固めるかの2つに分かれます。

膝が抜けてしまうのは、力だ入れるといざが痛くなるので、その痛みに対する反応です。もう1つの固めてしまうのは、痛みを堪える反応です。

例えば、椅子の立ち上がりで、膝に負担がかかることがあります。その場合は、大腿四頭筋以外を使って立ち上がることで痛みの軽減ができます。

5-2-3.膝にかかる負担を減らす内腿の使い方

猫背やガニ股の場合は、大腿四頭筋を使いやすい姿勢です。普段からこの大腿四頭筋ばかり使っていると、疲労が蓄積してしまいます。また、モモ裏のハムストリングスや内腿の筋肉をうまく使えなくなります。そのような体の使い方のアンバランスを整えるのがこのエクササイズです。

 

6.オスグットと言われた時に注意すべきこと

オスグットと呼ばれたら、3つのことを気をつけましょう。まずは、膝そのものにかかる負担を減らします。次に、姿勢を正します。猫背などであれば、膝へ関節的に負担がかかります。最後の3つは

 

7.この記事のまとめ

さて、いかがでしたでしょうか?

膝の痛みは、膝そのものだけの問題ではないです。成長期には特に、体の変化と体にかかる負担の両方が影響していきます。日頃の姿勢や生活の仕方がより顕著に出る時期でもあります。そのような背景もあり、膝だけでなく、生活の仕方からケアにかけて対処することで、痛みが起こりにくくできます。是非とも、この記事をご活用くださいませ。

 


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