症例 スポーツの慢性障害(下半身)
症例 目次
- 症例1 シンスプリント(脛骨骨膜炎)
- 症例2 足の外側のしびれと痛み(坐骨神経)
- 症例3 足裏の痛み(足底腱膜炎)
- 症例4 繰り返すシンスプリント
- 症例5 捻挫をして踵が痛い 学生陸上 3000m障害 10代
- 症例6 足の外側がしびれる(中小臀筋症候群) 10代高校生 男子 跳躍
症例 シンスプリントと言われた脛の痛み
患者
10代 学生 女子 陸上競技部 短距離
主訴
2か月前より練習中に痛みを感じるようになった。
脛の内側に痛みがある。初めはバウンディングや走りで痛みが出ていたが、今は歩いているだけでも気になる。
練習後にアイシングとストレッチをしているがなかなか良くならない。
施術内容
体への負担が慢性的に起こると筋肉だけでなく骨も変形していきます。外反母趾などが代表的なものです。
このシンスプリントも骨がねじれる変形を起こしていました。
筋骨格の調節と矯正で痛みを摂るだけでなく、足へ負担をかからないように整えました。
良い状態をキープできるようテーピングでもサポートしました。考察
シンスプリントは脛骨骨膜炎と言われているスポーツ障害の1つです。
この症状は、走りやジャンプなどで足に負担が加わることで起こります。特に疲労が蓄積して筋肉が硬くなることで起こりやすくなります。
筋肉は足指の筋肉、後脛骨筋などへの負担、アーチの低下などで起こると言われています。
当院では、筋肉だけでなく骨へのアプローチを行い、癖のついた骨格矯正を行うことで負担のかかり方を改善させていきました。
症例2 足の外側のしびれと痛み
患者 10代 陸上部 女子 長距離
1か月前から走ると足の外側にしびれが出えるようになった。長い距離を走るとしびれが出る。最近ではジョグ程度のスピードでも距離を踏むとしびれや痛みが出るようになった。
施術内容
聞き取りチェックポイント
- どんな時に痛むか:距離を踏んだ時
- どこに症状が出るか:足の外側からお尻にかけて
- どうすると楽になるのか?:走るのをやめて休息すると
機能チェック
- しゃがみこみ
- 片足立ちの不安定性
- フロントランジ【一歩前に足を踏み出す)
施術内容
臀部周囲のストレッチおよび、股関節まわりの機能訓練(外転、外旋運動)
考察
長い距離を走ることによる症状です。この場合は走り方に問題があると考えました。この型の場合は、接地の不安定性があり、その動きをかばうために股関節周囲の筋肉が硬くなり、神経を圧迫したためにしびれや痛みの症状が出ていました。
休むと楽になるが、動きを直さないために再発を繰り返しています。
片足立ちの繰り返しは歩行です。まずはここの不安定性を解消することを目的にリハビリを行いました。3週間後の現在ではすっかり良くなり10㌔もの距離を走っても症状が出なくなりました。
症例3 足裏の痛み(足底腱膜炎)
患者 10代 女子 陸上部 長距離
練習をしていると足裏がいたくなる。特に左足裏の踵寄りが痛い。
辛いときは足を突くだけでもいたくなる。休むと痛みは楽になるけども、練習を始めると徐々に痛みが戻ってくる。
土のグラウンドでは大丈夫だけど、ロードや競技場を走った後は痛くなりやすい。
施術内容
体のチェックポイント
- 足のアライメント
- 足部の機能強化
- 歩行時の重心軸
- 踵接地から立脚期の下肢アライメント
- つま先たち
- しゃがめるか
片足立ちでの不安定の他、立脚期での前足部の動きがない状態がうかがえた。
踵の骨の過度な負担が足底腱膜へ炎症を起こしたと仮定した。
アライメントの調節で重心軸を整える。そしてセルフケアとして足裏全体をぐるぐる回すエクササイズを紹介する。施術後にはい片足たちの不安定性もなくなり、歩行時の歩幅も広がった。これは、接地が安定したために出たものと考えた。考察
運動を中止することっでおさまる痛みは動かし方に問題があります。
特にどんな動きで痛むかを分析することで、再発を防ぐことができます。
踵よりの足底腱膜炎は一度傷めると長くかかりやすいスポーツ傷害の1つです。安静にするだけでなく、積極的なリハビリを行うことで、痛みの軽減だけでなくパフォーマンス向上にもつながっていきます。
症例4 繰り返すシンスプリント 17歳女性
主訴
練習中にスネの内側が傷んだ。アイシングをして休むと痛みは引くが、練習を再開すると再び痛む。
施術内容
チェックポイント
・片足立ち
・指の動きを制限しての片足立ち
・爪先立ち
・しゃがむ
片足立ちが不安定な場合、指の力を使い安定させる傾向にあります。また、母子球でける癖がある場合にも親指の筋肉が硬くなり、摩擦が生じやすいです。
施術の実際
・足首のアライメント調節
・足部の筋膜リリース
・軸圧調節テープ
・セルフケアで足部アライメントの調節
・全身の筋連動促通
考察
シンスプリントなどの慢性的な刺激の繰り返しで起こるものをスポーツ障害といます。この慢性的な刺激は、練習以外にも体に起こります。例えば立ち方や歩き方です。極端に言えば姿勢が悪いと、体の1部分に負担がかかり、このような慢性的な痛みを生じやすくなります。
症例5 捻挫をして踵が痛い 学生陸上 3000m障害 10代
主訴
3000m障害走で、障害を越えた時に捻って痛めた。水ごうの着地なのでアキレス腱が伸びた感じで、足をつくと踵が痛い。
施術内容
足部のアライメント調節。テーピングとパットによる固定。アキレス腱の踵骨付着部の保護。
考察
捻挫の部分よりも、アキレス腱の付着部の炎症が強いケース。この場合は踵を保護してアキレス腱に負担がかからないように日常を過ごす必要があります。怪我をした直後はアイシングと固定をします。その後は徐々にアキレス腱へ負荷をかけて元の体重がかけれるようにリハビリをしていきます。
症例6 足の外側がしびれる(中小臀筋症候群)高校男子 跳躍
主訴
初めはお尻がこったような感じでした。踏切をするときに腰が入らなくなり、立っているだけでもピーンとひざ下にしびれが出るようになりました。勉強で座っているだけでもジーンとしびれを感じてきました。
施術内容
お尻まわりの筋肉リリース。内転筋の筋促通。坐骨神経のストレッチ。トレンデレンブルグ兆候もあるため、中臀筋だけでなく小殿筋の離解を行う。
考察
身体をチェックすると片足立ちでぐらぐらする傾向にありました。股関節の筋肉のアンバランスが神経を圧迫しています。また中小臀筋症候群は部分的な負担でも起こるものなので、内転筋(内モモ)の筋肉に力が入るようにリハビリも行いました。施術後には片足たちも安定しました。