足首の捻挫
- 1,足首の捻挫とは
- 2,足首を捻挫をしたときの応急処置
- 3,捻挫のリハビリの仕方
- 4,足首の腫れが引かない時
- 5,足首を捻挫をした後にすべきこと
- 6,一般的な捻挫の対処法
- 7,英気治療院での考え方
- 8,改善例
- 9,この記事のまとめ
1,足首の捻挫とは
捻挫とは、言わゆる関節を捻って痛めてしまったものです。
捻挫は、良くある怪我の1つです。一度捻挫をすると癖になりやすいです。そのため、初回の捻挫では、ギプス固定をすることもあります。ギプス固定をすることで、関節の緩さを出さない、姿勢や歩き方の癖を予防するなどを図ります。それほど捻挫は大きく体へ影響する怪我でもあります。
捻挫は、繰り返しやすいけがです。それは、捻挫をした癖やけがをしたことによる体のバランスが崩れたままであることで起こります。
このような捻挫について、処置の仕方ららリハビリまで解説させていただきます。
2,足首を捻挫をしたときの応急処置
けがをした直後の処置が一番大切です。この処置によって回復のスピードが大きく変わるからです。
怪我をしてから炎症が治まるまでの期間を急性期と呼んできます。
急性期の患部では、怪我して組織を痛めて炎症が起こっています。炎症とは、その壊れた組織が回復す過程を言います。そんな炎症には、5つの兆候があります。
2-1,炎症の5徴候
- 発赤(発赤)
- 痛めたところが赤くなる状態。血液が集まっています。
- 熱感(ねつかん)
- 血液が集まり組織の回復が活発に行われています。
- 腫脹(しゅちょう)
- 痛めたところが腫れています。壊れた細胞の細胞液のほか痛めたところを守るために腫れています。
- 機能障害(きのうしょうがい)
- 痛めた患部をそれ以上負担をかけないように動きにくくなります。
- 疼痛(とうつう)
- 痛めた部位が明確になります。体はその変化を自覚して治そうとします。
このような5つの兆候があるときは急性期です。急性期の炎症症状は、怪我をした直後からおおよそ3日ほどでピークを迎えます。ピークを迎えてから、なだらかに炎症反応はおさまっていきます。その間は、RICES処置をして痛めている部分を保護します。
2-2,急性期の応急処置の基本はアイシング
捻挫を始めとする怪我の一番初め書処置としてアイシングが一般的です。アイシングの方法は「RICES]と言われています。これは処置の方法の頭文字をとっています。
- Rest(安静)
- Ice(冷却)
- Compression(圧迫)
- Elevation(挙上)
- Stabilization/Support(安定/固定)
この処置を60分のおき20分行います。そして冷却から解放して40分の間隔をあけて再度同じ処置を繰り返します。受傷後24~72時間はできる限りこの処置を続けることが望ましいです。そうすることで怪我の後遺症を最小限にとどめることができ、早期復帰が可能となります。
3,捻挫のリハビリの仕方
捻挫のリハビリは、急性期、回復期、復帰期に分けてリハビリを行います。
急性期では応急処置と患部の安静が中心です。ここまでの項でお伝えしてきました。ここからは回復期以降についてご説明させていただきます。
- 1,急性期のリハビリ
- 2,回復期のリハビリ
- 3,復帰期のリハビリ
3-1,急性期のリハビリ
- 1,応急処置としてのケア
- 2,腫れをひかせる循環療法
- 3,可動域を確保する患部外リハビリ
3-1-1,応急処置としてのケア
怪我をした直後は、RICES処置で炎症を最小限にとどめます。
その後は、日常生活を無理なく送れるように、ステップアップしたリハビリが開始されます。
3-1-2,腫れをひかせる循環療法
急性期のリハビリは、組織の回復のを高めることが目的となります。
その1つに、可動域の確保、つまり動く範囲を戻すことがあります。
捻挫をした箇所は、腫れることで、動きの制限が起こります。その腫れをいかにして早く解消するかが急性期のリハビリの目的にもなります。
急性期のリハビリに有効な手段に「循環療法」があります。怪我をして炎症のピークが過ぎた後に、温め、冷やすことを繰り返します。この方法を循環療法といいます。3-1-3,可動域を確保する患部外リハビリ
急性期のリハビリは、動く範囲の確保がメインになります。
痛めた足首の可動域の確保のために、循環療法以外の方法として、患部外トレーニングがあります。患部外とは、踝や足の甲など、痛めた靭帯以外の部分を動かすことで体の修復を促すリハビリです。
具体的には、足の指を動かします。足指はくるぶしを通り、ふくらはぎの奥につういています。足指を動かすことで、足裏のアーチの再形成、むくみの改善、足の不安定性の解消などの効果があります。
患部外トレーニングは、痛めた部分の補強や組織の回復にも関与できます。
多くの場合は、使わないから使えるように訓練することを目的としてしまいます。しかし、体は全身運動をするのが基本です。一部分を鍛えても、強くなるどころか、バランスを崩してしまいます。ですので、きちんと今の体に必要な要素を明確にして、適切なリハビリを行うことが必要になります。
3-2,回復期のリハビリ
回復期では、日常生活を送るうえで必要な筋力や可動域の獲得に努めます。スポーツ復帰も含めてリハビリには段階があります。
- 1,可動域の改善
- 2,筋力の改善
- 3,筋持久力の改善
- 4,神経ー筋伝達の改善
- 5,機能訓練と再発予防
回復期とは、立つ、座る、歩くなどの日常生活の動作が可能になるまでの期間を指します。この期間はスポーツをすることがない方も共通して必要な期間です。この期間をスムースに過ごすためには急性期の処置がとても大切です。
リハビリテーションとは、特別な事ではありません。元の生活に戻るだけでなく、同じような怪我を繰り返さないように体を整えるところまでを行います。
また、時として怪我をするときに靭帯損傷や骨折などの不可逆的な外傷を負うこともあります。リハビリテーションではそのようなケースでも対応します。リハビリテーションの言葉の意味が「機能的再構築」という意味です。つまり今ある体で機能させることを行うのです。
3-2-1,始めは可動域
捻挫のリハビリは、動く範囲を確保することろから始まります。
この時期ですと、つま先を伸ばす、曲げるなど単純な動きから始めていきます。
3-2-2,筋力を確保
動く範囲を確保したのちに力が入るようにします。
捻挫の場合は、足首周囲の筋肉が対象です。例えば指の筋肉。タオルギャザーなどが一般的に復旧しています。もしかのであれば新聞紙などでも同じようにリハビリをしてみましょう。タオル以上に細やかな動きは必要となります。
3-2-3,筋持久力
筋力をつけるとともに、筋持久力も鍛えていきます。
筋持久力とは、動き続けられる能力です。一瞬、力が対っても持久力がないと反応できなくなります。これでは、疲労してくることで再度捻挫する危険があります。
力を入れるだけでなく、動き続けられるようにリハビリをしていきます。
3-2-4,神経-筋伝達系
捻挫が起こるのは一瞬の間に起こります。
その一時に藩王できるかによって、損傷の具合が変わります。靭帯を伸ばすだけで済むのか、骨まで痛めてしまうのかなど程度が異なります。
再度同じように怪我をしないためにも、この反応を鍛えなおすことは必要になります。
3-2-5,機能訓練と再発予防
機能訓練とは、足首や指が持つ、本来の働きを取り戻すことを目的として行います。
捻挫をした場合、指や足首が動いてしまうと、日常生活は送ることができます。しかし、動くだけでなく、正しく機能しないと、姿勢が崩れたり、不安定な姿勢を作ってしまいます。日常生活が十分にできても、本来の機能を取り戻せないと、スポーツをしたときには、怪我をしやすくなります。
再発予防とは、同じような状況で同じような怪我をしない訓練を行うということです。
サッカーでスタイディングの接触でに捻った、段差を踏み外して捻った、ステップの最中に捻ったなど、傷めるシチュエーションは多くあります。一言で捻挫と言っても痛め方はそれぞれです。ですので、再発予防という観点では、同じような状況で、同じように繰り返し怪我をしないように、訓練する必要があります。
例えば、接触してもうながせる、足の感覚をもとに戻す、不安定な路面でステップをするなど、受傷起点に近い状況で対応できるようにしていきます。
このような訓練が、再発予防や自分自信の弱さを解消するトレーニングにもなるのです。
3-3,復帰期のリハビリとは
復帰期では、スポーツの競技特性における動きを取り入れていきます。日常では負荷がかからないような動きを取り入れていきます。
例えば、ステップワークやジャンプなどの日常生活レベル以上の強度の訓練を行います。他にも対人競技や球技競技のように、自分以外の物や人との関わりあいを加味したリハビリトレーニングが行います。
競技復帰の段階で大切なのは、けがをしたときよりも高いレベルでの復活を目指すことです。怪我をすることで自分自身の体の使い方を見直します。痛めた動きには部分的な不可が加わって起こることが大きいです。体の使い方を見直すことで同じような怪我をしなくなります。そしてより高いパフォーマンスを発揮できます。
4,足首の腫れが引かない時
怪我の種類によっては、慢性化して症状がなかなか取れないものがあります。捻挫や脱臼など、癖になるものがその代表的な怪我です。足首の捻挫もその1つです。
4-1,このような怪我をしたときは要注意
- ・足首の捻挫
- ・肩の脱臼
- ・骨折
- ・大腿の肉離れ
- ・打撲
これらの怪我は、繰り返してしまうものの代表です。
組織の破綻や癖によって再発するものが多いです。
仮に、繰り返し起こる場合でも、今の体にあるもので、使い方を見直すことで、再発の予防ができます。
繰り返し怪我をする部分に共通することは、腫れが引かない、コリが取れないです。腫れが引かないのは、むくみを起こして、関節や筋肉などを保護するためです。コリが取れないのは、筋肉が緊張して守ろうとするサインなのです。
これらの様な慢性化した症状を解消するには、今ある体の状態で、いかにして負担なく動かすかのリハビリが必要になります。怪我をした後に、ただ何となく時間に任せて回復した場合には、このような後遺症が残りやすくなります。
スポーツをする、しないに限らず、このような後遺症が起こらないためのリハビリは必要になります。
5,足首を捻挫をした後にすべきこと
1,後遺症の解消2,怪我のしにくい姿勢改善
3,体の感覚の再入力
5-1,後遺症の解消
一般的には過度な負荷がかかり、筋肉が損傷することで怪我が引き起こされます。
肉離れでは、筋肉の損傷、捻挫では、関節をつなぐ靭帯の損傷などがあります。
これらは、ぶつかったり、押されたりする体の外からの外力によって引き起こされる怪我で「外傷」と呼ばれます。
体の使いからから起こる肉離れや筋膜炎などの怪我があり、突発的な外傷とは区別しています。
使い方がら怪我を起こす慢性的な怪我は、怪我を起こりやすい体や姿勢がら起こることが多いのです。繰り返し怪我をしているのは、偶然ではなく必然なのです。
このようにして起きた怪我は、きちんと治さないと、後遺症が起こります。
肉離れのしこりや筋肉の引きつりなどが代表的な症状です。
筋肉の硬さや緊張、後遺症によって、力がぬけにくくなると、疲労しやすくなるだけでなく、筋肉そのものを傷めやすくもなります。
脱力の仕方、骨で体を支えて軸を作る、体表面の感覚を研ぎ澄ますなどの訓練をすることで、解消できます。
5-2,怪我のしにくい姿勢改善
体は常に重力の影響を受けています。重力は、立つ座るなどの姿勢によって、体の関節や筋肉に加わる負荷が変わってきます。
筋肉は引き伸ばされることが一番負担がかかります。そのため、猫背などの姿勢では、体の後ろ側は常に引き伸ばされています。
この姿勢で走ると、筋肉は通常よりも引き伸ばされるため肉離れを起こしやすくなります。
体は、骨で支えています。怪我をすると、どうしても痛めた箇所の筋肉がこわばり、筋肉で体を支えてしまいます。
このような体の使い方の癖を解消することで、怪我をしにくい体を作ることができます。
5-3,体の感覚の再入力
体の姿勢が変わると、体の動きやすさも変わります。
例えば、猫背の場合では、つま先に力が入りやすいです。
試しに、足の指をグーっと握ってみましょう。そのまま歩いてみてください。とても歩きにくいです。
このように、姿勢は体全体にかかる力みにも影響してきます。
いかに力を抜いた状態で楽な姿勢を作ることができるか、それができたときには、体を動かすこともスムーズになり疲れにくい体に変わっていきます。
姿勢が変わることで、力みなく脱力した状態を作りやすくなります。そうすることで変わるのが、感覚です。
重力を感じたり、重心を感じる感覚を感じ取ることで、怪我をしにくくなります。この感覚が起こることで、体の合使い方がグッと変わります。
6,一般的な捻挫の対処法
- 1,痛みを感じる部分の固定
- 2,シップや電気治療
- 3,痛みがなくなるまで安静にする
- 4,日常生活ができればリハビリ終了
6-1,痛みを感じる部分の固定
初回の捻挫や重症な場合は、固定が優先されます。固定にも種類があり、シーネと呼ばれる一部分を固定するものからギプス固定のように、足全体を固定するものまで種類があります。
固定期間が長いと、関節が硬くなり、復帰までの期間が長くかかる場合があります。このように固定には、メリットとデメリットを見て判断されていきます。
6-2,シップや電気療法
痛みの緩和にシップや低周波の電気療法が使われます。痛みの緩和には有効ですが、痛めた原因を解消出来ないときには、痛みが長引く場合があります。
6-3,痛みがなくなるまで安静にする
腫れや痛みなどがある場合は、なるべく動かさず安静にするように指示されることがあります。確かに、負担をかけなければ次第に回復していきます。しかし、何もしないことでは、早期復帰は見込めません。また、競技復帰までを視野に入れるときには、積極的に動かした方が回復が早まることもあります。
6-4,日常生活ができればリハビリ終了
リハビリには、日常生活までとする場合があります。しかし、ゴールを競技復帰とする場合には、一般的なリハビリだけでは十分ではありません。競技動作や痛めた動きの解消までも必要となります。
7,英気治療院での復帰までの考えかた
- 1,痛みをとるより、痛みにくい動きを作る
- 2,競技復帰までのリハビリで早期復帰を目指す
- 3,セルフケアによって自分の力でケアを作るサポート
7-1,痛みをとるより、痛みにくい動きを作る
捻挫した原因を究明して、痛みが最小限になるように整えます。
7-2,競技復帰までのリハビリで早期復帰を目指す
足首に痛みを感じにくい動作を作り、怪我の早期復帰を目指します。
明確なリハビリメニューの提案とフォーローで自分でコントロールできるようになります。
7-3,セルフケアによって自分の力でケアを作るサポート
怪我をしたのは、ケア不足で感覚が鈍感になるからです。ですので、正しい知識をもち、セルフケアを徹底留守ことで、自分の力で痛みの解消から、疲労回復ができるようにサポートいたします。
当院ではこのようにして改善していきます8,改善例
症例 捻挫をして踵が痛い 学生陸上 3000m障害 10代
主訴
3000m障害走で、障害を越えた時に捻って痛めた。水ごうの着地なのでアキレス腱が伸びた感じで、足をつくと踵が痛い。
施術内容
足部のアライメント調節。テーピングとパットによる固定。アキレス腱の踵骨付着部の保護。
考察
捻挫の部分よりも、アキレス腱の付着部の炎症が強いケース。この場合は踵を保護してアキレス腱に負担がかからないように日常を過ごす必要があります。怪我をした直後はアイシングと固定をします。その後は徐々にアキレス腱へ負荷をかけて元の体重がかけれるようにリハビリをしていきます。
9,この記事のまとめ
さて、いかがでしたでしょうか?
捻挫をしたときには、応急処置から競技復帰まで見据えたケアが必要になります。
怪我をしたのちに、歩ける、しゃがめる、走れる状態になると、つい治った気になってしまいます。しかし、日常の生活動作ができたからと言って、怪我が完治したわけではありません。
怪我をした状況での対応、感覚や姿勢の改善をもって、本当の完治といえます。
怪我をすることで、自分の癖があらわになります。ですので、怪我が良くなるときには、今まで以上のパフォーマンスで復帰できるようにリハビリを組み立てていきます。
怪我はしないほうがいいですが、した時には120%の状態で復帰を目指します。是非とも、怪我をマイナスではなく、プラスとして活用されてみてくださいませ。